不動産エピソード(賃貸編)

【ご相談】高齢になり畑を作ることが出来なくなってしまった。

2019年04月05日

【ご相談内容】

・厚木市内の調整区域に畑を所有。近年高齢になったことで、畑として耕作をすることが難しくなってしまった。

・定期的に農協等に頼み、費用を支払って草が出ないようにトラクターを入れているが、何か他の方法で解決することが出来ないか。

【ご提案】

・まず、大前提として田んぼや畑については農地法という法律が適用される為、転用して資材置場や駐車場にする為にはその農地法の許可が必要になります。

・農地法の許可には、「自分の所有する農地を自分で他の用途として利用する」4条許可と、「農地を他人が農地以外として利用するために売買、贈与、賃貸借等する場合」の5条許可があります。またその農地が500平米を超える場合、厚木市ではまちづくり条例に該当し、開発行為として開発許可も必要となります。

・今回のケースでは、借主を見つけ、その用途通りに正式に農地転用の申請をし、許可を受けた上で賃貸借契約を行いました。地主さんにとっては、資産運用になると共に土地の管理に対する心配が無くなり、非常に喜んで頂きました。

《不動産お悩み相談室より》

・近年、厚木市内では圏央道の開通などにより交通の便がさらによくなり、あらゆる場所で畑や田んぼを埋め、資材置場や駐車場にするケースが増えています。中には実際の用途とは違う名義を借りて名目上開発許可を取得し、転用後直ぐに転売したり賃貸したりするケースもあるようです。これは確かに法的には違法と言い切れないかもしれませんが、非常にグレーな部分であり、許可を受けた用途と異なる用途でその土地を使用していることにもなります。我々は地元で長年誠実に仕事をさせて頂いていますので、こうした形での運用は一切しておりません。

・また、農地転用の許可があっても、市街化調整区域であるならば基本的に建物の建築はできません。厚木市内でもスーパーハウスやコンテナを時には2階建にして、事務所や休憩所として使用しているケースをあるようですが、原則として違法です。厚木市の行政指導は近隣からの苦情が無ければさほどされないようですが、これからどうなるかは分かりません。違法であることには違いありませんので、一切お勧めできません。地主さんにとっても違法な状態を放置していると、デメリットが発生する可能性がありますのでお気をつけください。