2019年4月

【ご相談】所有している建物に車が突っ込んだ。

【ご相談内容】

・厚木市内に所有している建物(賃貸物件)に車が接触。

・テナントさんが営業をすぐに開始できるように緊急対応とその後の仮復旧、さらには本格的な復旧・修繕についてのご相談でした。

【ご提案】

・とにかく少しでも早く建物の状況を知るべく、現地に急行しました。建物の窓ガラスやシャッターはもちろんですが、室内の内装や備品も大きく損傷をしている状況でした。

・緊急対応をしてくれる業者さんと共にまずは営業をできる状態にまで仮復旧を行いました。室内の掃除はもちろんですが、今後保険会社との交渉に備え、事故後の状況と撤去した破損品の写真を撮影しました。

・仮復旧により、何とか営業をできる状況にはなりましたが、その後に保険会社との本復旧に向けた交渉が始まりました。破損個所を再度全てチェックし、様々な業者さんと協力の上復旧作業を行いました。

《不動産お悩み相談室より》

・高齢者の自動車運転によるアクセル踏み間違えなどの事故は毎日のように報道されています。最近でも池袋や三ノ宮などで大きな事故がありました。

・今回は人的な被害が無かったことが不幸中の幸いですが、それでも建物の損傷は大きく、保険会社との交渉もハードなものになりました。あっては欲しくないことではありますが、万が一こうした状況に直面した際に、直ぐに相談できる相手を作っておくことが大切です。

【ご相談】子どもがいないので、相続は揉めない?

【ご相談内容】

・お子様のいないご夫婦の奥様が急逝。

・相続人は子どもがいないのでご主人のみと思っていたが、奥様のご兄弟がたくさんいるのと、中には亡くなられている方もいるので困っている。

【ご提案】

・まずは奥様の資産状況を把握して、相続財産がどの程度あるのかを判明させなければなりません。さらに同時に、亡くなられている奥様のご兄弟の相続人を調べ、遺産分割協議の準備を進めました。

・今回の場合、奥様の相続財産は大半が金融資産でしたので、法定相続分通りに遺産分割を実施しました。

・さらに不動産等を所有するご主人の相続にも備える必要が出ていることをご提案させて頂きました。奥様の遺産分割協議の後には、ご主人が将来お亡くなりになられた場合に備えての遺言作成や、意思能力が失われた時に備えての任意後見契約を検討することになりました。

《不動産お悩み相談室より》

・自分には相続する子どもがいないので・・・と事前に準備をすることなくお亡くなりになると、配偶者と自身の兄弟が相続人になるケースがトラブルに発展することも多いようです。

・既に起きてしまった相続について後から対策をすることはできませんが、身近な人が相続で苦労した経験があったりすると、ご自身の相続についても考えるきっかけになるようです。ご自身の意思表示が明確にできる、お元気な時にしかできないことが多いことを知っておくことが大切です。

【ご相談】建物の所有者は父の母のお祖父さん!?

【ご相談内容】

・昨年亡くなった母親から相続した不動産について手続きをしたいというご相談がきっかけでした。

・亡くなった母親の所有する不動産の証明書には、あるはずの実家の建物登記がありませんでした。建物自体が未登記なのかも・・・と調査した結果、建物は相続人であるお客様よりも何代も前の名義のまま相続登記がされずに残っていたのでした。

【ご提案】

・まずは今回、相続人の確定の為に取得をした戸籍謄本等を遡り、建物についても相続権を保有する方がどれだけいるのか調査をしました。

・その結果、想定よりも多くの関係者がいることが判明しました。相続人のさらに相続人がいれば、全ての方に書面を貰わなければなりません。費用や時間もかかりますので、現在対応を協議中です。

《不動産お悩み相談室より》

・平成31年現在、不動産の相続登記は相続税の申告のように義務のあるものではなく、あくまで任意の制度となっています。それが所有者不明の土地問題、老朽化する空き家問題へと繋がり、問題化している背景から、義務化に向けた動きが出てきているのも事実です。

・いずれにしても相続登記はある時点で解決をしなければ、その問題を後世へと残すことになります。もちろん相続登記がされていなければ、売却など処分することもできません。いつかは必ずやらなければならないこととして、後回しをせずに登記手続きをすることをお勧めしております。

【ご相談】高齢になり畑を作ることが出来なくなってしまった。

【ご相談内容】

・厚木市内の調整区域に畑を所有。近年高齢になったことで、畑として耕作をすることが難しくなってしまった。

・定期的に農協等に頼み、費用を支払って草が出ないようにトラクターを入れているが、何か他の方法で解決することが出来ないか。

【ご提案】

・まず、大前提として田んぼや畑については農地法という法律が適用される為、転用して資材置場や駐車場にする為にはその農地法の許可が必要になります。

・農地法の許可には、「自分の所有する農地を自分で他の用途として利用する」4条許可と、「農地を他人が農地以外として利用するために売買、贈与、賃貸借等する場合」の5条許可があります。またその農地が500平米を超える場合、厚木市ではまちづくり条例に該当し、開発行為として開発許可も必要となります。

・今回のケースでは、借主を見つけ、その用途通りに正式に農地転用の申請をし、許可を受けた上で賃貸借契約を行いました。地主さんにとっては、資産運用になると共に土地の管理に対する心配が無くなり、非常に喜んで頂きました。

《不動産お悩み相談室より》

・近年、厚木市内では圏央道の開通などにより交通の便がさらによくなり、あらゆる場所で畑や田んぼを埋め、資材置場や駐車場にするケースが増えています。中には実際の用途とは違う名義を借りて名目上開発許可を取得し、転用後直ぐに転売したり賃貸したりするケースもあるようです。これは確かに法的には違法と言い切れないかもしれませんが、非常にグレーな部分であり、許可を受けた用途と異なる用途でその土地を使用していることにもなります。我々は地元で長年誠実に仕事をさせて頂いていますので、こうした形での運用は一切しておりません。

・また、農地転用の許可があっても、市街化調整区域であるならば基本的に建物の建築はできません。厚木市内でもスーパーハウスやコンテナを時には2階建にして、事務所や休憩所として使用しているケースをあるようですが、原則として違法です。厚木市の行政指導は近隣からの苦情が無ければさほどされないようですが、これからどうなるかは分かりません。違法であることには違いありませんので、一切お勧めできません。地主さんにとっても違法な状態を放置していると、デメリットが発生する可能性がありますのでお気をつけください。