不動産エピソード(売買編)

【ご相談】市街化調整区域に建物が建てられるかどうかのお問い合わせ

2019年09月05日

【ご相談内容】

・厚木市内のお客様から、海老名市に所有する調整区域の土地に建物が建てられるかどうかのお問い合わせがありました。

・土地の上には昭和20年代からしばらく建物が有りましたが、数年前に取り壊しをし、現在は更地とのことでした。

 

【ご提案】

市街化調整区域とは建築物の建築物の建築が制限されている区域であることから、都市計画法に適合する建築物以外は建築することができません。

かつては既存宅地確認制度という市街化調整区域内の土地に対する制限を緩和し、その土地が「市街化調整区域とされた(線引き)時点で既に宅地となっていた」などの条件を満たした場合に、建築行為許可を免除する制度がありましたが、現在は廃止されています。

しかし、都市計画法34条もしくは都市計画法43条の許可を取得することで、建築することができる場合があります。

いずれにしても具体的に建物等の計画をし、申請を行わなければその許可が得られるかどうかがはっきりとしません。

その申請の土台に乗るかどうかの基準として一つ既存宅地確認制度の流れを組む条件が以下のようなものになります。

・市街化調整区域に関する都市計画決定の日(※)前において土地登記簿における地目が宅地とされていた土地

・市街化調整区域に関する都市計画決定の日(※)前において固定資産税台帳が宅地として評価されていた土地

・市街化調整区域に関する都市計画決定の日(※)前において宅地造成等規制法の許可を受けて造成した土地

などなど。

つまり、まずはその土地の謄本や固定資産税の評価地目などを調べてみる必要があります。

さらに場合によっては農業委員会に農地法の農地転用許可の有無なども調べます。

今回の場合、土地の謄本を遡り・・・土俵には乗りそうだな、という感じでした。

 

《不動産お悩み相談室より》

・市街化調整区域の土地の取り扱いは、非常に難しい部分が多く、隣同士の土地であってもその条件等が変わってくる場合が多々あります。

・既に建物が建っていれば、次も建て替えが出来るであろうと思っていても、建替えが出来ないはおろか第三者が住むことも原則として認められない場合もあります。

・不動産屋さんの中にはこういった説明をせず、または無知の状態で取引を行い、後日トラブルとなるケースもありますのでお気を付け下さい。