2021年12月

【ご相談】市街化調整区域の田んぼや畑を譲渡するには?

【ご相談内容】

  • 厚木市内に畑をご所有のお客様からのご相談です。
  • 高齢になったので畑が作れなくなってしまった。
  • 代わりに作ってくれる親戚に畑を譲渡したい。

【ご提案】

大原則として、市街化調整区域の農地の所有権を移転させる場合、農地法第3条の許可が必要になります。

<農地法第3条>

  • 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。

例外規定もこの後の各号にあるのですが、恐らくほとんどケースの場合は例外規定に当たりません。

さらに農地法第3条の許可を受ける為には、下限面積要件という要件を満たさなければなりません。

<加減面積要件>

  • 権利取得後の農地の経営面積が下限面積を超えていること。
  • 経営面積とは、所有し耕作している農地と借り入れて耕作している農地から貸し付けている農地を差し引いた面積です。
  • 厚木市では下限面積を25アールと定めています。

つまり、ざっくり申し上げて譲受人の方が元々畑を作っているような農家の方で無いと権利の移転が難しいのです。

今回のケースの場合、代わりに作ってくれる親戚の方は別のお仕事が専業で、畑や田んぼを所有している訳ではありませんので、農地法第3条の許可が下りる可能性は極めて低くなります。

 

但し、実はこの農地法第3条の許可は「相続」には適用になりません。

それは「相続」というものが被相続人(亡くなった人)の死亡により当然に発生する効力であり法律行為ではない、と解釈されているためです。

つまり、今回のケースの場合、

・生前に畑をそのまま譲渡や贈与をさせることはほぼ不可能。(農地転用をして譲渡する場合はまた別の話になります。)

・相続の際に遺言や遺産分割をして譲り受けることは可能。

ということになります。

いずれにしても市街化調整区域の農地はケースバイケースで判断しなければならないことも多く、不動産を生業にしている方でも得意不得意があります。

また様々な専門家が協力しなければならないことも多くあります。

当相談室では様々な専門家とのネットワークがございます。

厚木市内の市街化調整区域に農地をご所有のお客様、もしご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。

相続に関する資格・・・本当は資格でも何でもない!?

厚木市内にも数多くの不動産屋さんがありますが、厚木市内に限らず多く不動産屋さんの営業項目の中で「相続」や「相続相談」と書かれていることがよくあります。

中には、その営業マンの保有資格として

  • 相続診断士
  • 相続士
  • 相続鑑定士
  • 相続マイスター
  • 相続カウンセラー

などなどいかにもといった名称を謳っている場合があります。

が、これらの資格は全て「民間資格」です。

つまり、国が法律で定めた資格ではありませんので、いわば「勝手に名乗っている」のと大して変わりません。

もちろん、名乗るために誰かが作った一般社団法人などの団体の講習を受けたり、登録料を払ったりはしているのでしょうが、法的な根拠はありませんので極端な話、どんな人でも名乗ることが出来ます。(各名称の使用権は別の話です。)

そして法的な行為は出来ませんので、結局は国家資格を保有する専門家に依頼することになるのです。

弁護士や司法書士、税理士、行政書士とは全くレベルが違う資格になりますのでお気をつけ下さい。

厚木市の不動産お悩み相談室は国家資格を保有するメンバーが直接相談をお受けします。

是非、安心してご相談頂ければと思います。

解体した建物の滅失登記を忘れていませんか?

古くなった建物を解体。

土地が更地になりスッキリしました。

・・・でも、建物の登記が残ってしまっていたりしませんか?

 

自分で解体屋さんに手配をしたものの、その後の手続きが漏れていたということがよくあるんです。

建物の登記が残ってしまっていると、その後相続が起きた時に「あれ?この建物なんだ?」ということもありますし、

ケースとしては少ないですが固定資産税を課税される可能性もあります。

厚木市の資産税課でも、建物の資産把握はもちろんしているのでしょうが当然漏れてしまうリスクもあります。

 

そこで、必要なのが「建物の滅失登記」です。

ちなみに、建物の滅失登記は、建物解体後1か月以内に行わなければならいことが法律で定められています。

登記の手続きをせずに1か月以上放置しておくと不動産登記法第164条に違反し、10万円以下の過料が科せられる可能性もあるのです!

なお、建物の滅失登記は法務局で申請が出来ます。

滅失登記が出来ると、法務局より資産税課に通知が行きますので、その建物が無くなったことも分かってもらえます。

ちなみに滅失登記の申請はご本人でも十分できると思いますが、専門家に依頼する場合「土地家屋調査士」さんに依頼をしなければなりません。

土地家屋調査士以外の例えば不動産屋や行政書士が代理申請をした場合、法律違反で罰せられる可能性もありますのでお気をつけ下さい。

いずれにしましても、このような類似例でご相談の場合、まずはお気軽にご連絡下さい。

解体業者はもちろんのこと、土地家屋調査士も信頼できる方を紹介させて頂きます!

不動産と相続の関係、そして遺言について

先日、不動産の売却に関してご相談というお客様がお越しになられました。

もちろん、不動産の売却に際しては様々なご事情がありますので、そのご事情を深くお聞きすることはあまり多くはありません。

しかし、今回はお客様の様子が「売りたくないのに売らないといけない」ようにお見受けしましたので、売却理由をお聞きしてみることに。

すると、その売却理由は「相続」に起因するものでした。

しかも、いわゆる「争続」です。

推定相続人から、亡くなった際の相続分をご健在の今から知っておきたいという何とも言えないお話でした。

相続に関して、お亡くなりになってしまえば自分の意思表示ができないのは言うまでもありません。

しかし、意思表示をしておくことは出来ます。

そうです「遺言」という形があるのです。

結論から申し上げればこのお客様は不動産を売却しなくても良くなりそうです。

これからも、皆様のために少しでも不動産に関するお悩みを解決できればと思っています。

【よくある質問】現況と登記上の地目と税務上の地目は異なることがあります!

厚木市内には調整地域も多く、畑や田んぼを所有する地主さんも多いように感じます。

そんな地主さんが土地を売るときに、よく勘違いをされていることが「地目」です。

「俺の土地は雑種地だから、直ぐに売って欲しい。」

こんなご依頼を頂いて、登記簿謄本を取得すると・・・

「地目:畑」

それを地主さんにお伝えさせて頂き、農地法の申請が必要になることをご説明すると、

「そんなことはない、俺の土地はこの書類に雑種地って書いてある」

と「固定資産税納税通知書」を見せてくれます。

・・・そうなんです。

登記上の地目と、税務上の地目は異なることがよくあるんです。

税務上の地目は現況を見られるため、現況が雑種地のようであれば雑種地として課税をされます。

一方で、現況が雑種地であっても登記上の地目が畑や田になっていると、原則として農地法の適用を受けます。

何か不思議なような気もしますが、このようなケースが結構あるんです。

税務は現況主義、登記は申請主義という感じでしょうか。

建物が建っている土地でも、地目が「宅地」になっていない土地もたくさんあります。

もしご自身で土地をご所有なら、一度地目を調べてみるのも面白いですよ。

【LINEなら24時間365日】本当に何でもお気軽にご相談下さい。

こんなことで相談して良いのか分からない・・・

そう考えている時間があれば、もう「厚木市の不動産お悩み相談室」までご相談下さい。

特に「誰に相談したら良いか、どんな相談したら良いか分からない」というお客様も多いのですが、まずは一度ご連絡下さい。

お気軽にご相談頂けるように、厚木市の不動産お悩み相談室ではLINE公式アカウントを開設しております!

↓をクリックして頂き、友達に追加して頂ければ直ぐにメッセージを送ることが出来ます。

厚木市の不動産お悩み相談室LINE公式アカウント

 

24時間、土曜日でも日曜日でも祝日でも、ご相談をお受けします!(もちろん無料です。)

・現在お住まいの賃貸アパートやマンションのことで悩みがある。

・相続する予定の土地建物を将来どうしようか考えている。

・お部屋のリフォームのことでどうしたらよいか分からない。

・そろそろお引越しを考えようかなと思っている。

・弁護士さんや司法書士さんなど専門家相談したいけど、誰に相談したら良いか、どうすればよいか分からない。

などなど是非、お気軽にほんのささいなことでも結構ですので、お気軽にお問い合わせ下さい(*^^)v

【ご相談】厚木市からの補助金も!厚木市内に親と同居するとしたら増築?新築?

【ご相談内容】

・厚木市妻田北にご実家があるお客様。就職の為、県外にお住まいでしたがお母様がご高齢になった為、同居を計画中。

・昭和50年台に建築された建物は部屋数が少なく、当初は既存の建物と連結する形でお庭に増築をご希望でのご相談でした。

【ご提案】

・増築する際は単純にリフォームをして部屋を増やせば良い、というお客様も多いようですが、ある一定規模(10平米を超える)になると建築確認申請が必要になります。10平米というと約3坪ですので6畳のお部屋を増築する場合は、通常建築確認申請が必要になると考えて良いでしょう。

・建築確認申請が必要になる場合、それは増築部分の話だけではなくなってきます。既存の建物が現行の法制度に対して適合しているか(建ぺい率内で建築されているか?防火基準はクリアーしているか?など)も重要です。

・今回のケースの場合、増築にかかる費用に対し、一応ということで新築の場合の費用もご提案させて頂きました。結果としては、増築部分が大きかったこともあり、ここまで費用をかけるのであれば・・・ということで新築をお選び頂きました。

・また、令和元年5月現在、厚木市では親元近居・同居住宅取得資金に対する補助金制度があります。

https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/kurasi/jyuutaku_akiya/seisaku/teijuu/d040941.html

いくつか要件がありますが、補助金を活用することでより新築・増築資金を増やすことが出来ますね。

《不動産お悩み相談室より》

・厚木市では将来の人口減少を見据えて、厚木市内に居住する市民を増やそうと様々な施策を行なっています。今回は補助金の要件にピッタリと合致したことでお客様に非常に喜んで頂きました。

・増築は簡単だ、というお客様もまだまだ多いかと思いますが、後々違法建築や既存不適格などというトラブルにも発展することもあります。しっかりと事前に相談の上、進めることをお勧めいたします。

https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/kurasi/jyuutaku_akiya/seisaku/teijuu/d040941.html

【ご相談】子どもがいないので、相続は揉めない?

【ご相談内容】

・お子様のいないご夫婦の奥様が急逝。

・相続人は子どもがいないのでご主人のみと思っていたが、奥様のご兄弟がたくさんいるのと、中には亡くなられている方もいるので困っている。

【ご提案】

・まずは奥様の資産状況を把握して、相続財産がどの程度あるのかを判明させなければなりません。さらに同時に、亡くなられている奥様のご兄弟の相続人を調べ、遺産分割協議の準備を進めました。

・今回の場合、奥様の相続財産は大半が金融資産でしたので、法定相続分通りに遺産分割を実施しました。

・さらに不動産等を所有するご主人の相続にも備える必要が出ていることをご提案させて頂きました。奥様の遺産分割協議の後には、ご主人が将来お亡くなりになられた場合に備えての遺言作成や、意思能力が失われた時に備えての任意後見契約を検討することになりました。

《不動産お悩み相談室より》

・自分には相続する子どもがいないので・・・と事前に準備をすることなくお亡くなりになると、配偶者と自身の兄弟が相続人になるケースがトラブルに発展することも多いようです。

・既に起きてしまった相続について後から対策をすることはできませんが、身近な人が相続で苦労した経験があったりすると、ご自身の相続についても考えるきっかけになるようです。ご自身の意思表示が明確にできる、お元気な時にしかできないことが多いことを知っておくことが大切です。

【ご相談】建物の所有者は父の母のお祖父さん!?

【ご相談内容】

・昨年亡くなった母親から相続した不動産について手続きをしたいというご相談がきっかけでした。

・亡くなった母親の所有する不動産の証明書には、あるはずの実家の建物登記がありませんでした。建物自体が未登記なのかも・・・と調査した結果、建物は相続人であるお客様よりも何代も前の名義のまま相続登記がされずに残っていたのでした。

【ご提案】

・まずは今回、相続人の確定の為に取得をした戸籍謄本等を遡り、建物についても相続権を保有する方がどれだけいるのか調査をしました。

・その結果、想定よりも多くの関係者がいることが判明しました。相続人のさらに相続人がいれば、全ての方に書面を貰わなければなりません。費用や時間もかかりますので、現在対応を協議中です。

《不動産お悩み相談室より》

・平成31年現在、不動産の相続登記は相続税の申告のように義務のあるものではなく、あくまで任意の制度となっています。それが所有者不明の土地問題、老朽化する空き家問題へと繋がり、問題化している背景から、義務化に向けた動きが出てきているのも事実です。

・いずれにしても相続登記はある時点で解決をしなければ、その問題を後世へと残すことになります。もちろん相続登記がされていなければ、売却など処分することもできません。いつかは必ずやらなければならないこととして、後回しをせずに登記手続きをすることをお勧めしております。